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アッシュ(Ash)
人気ランキングトップにランクインするカラーで、透明感と柔らかさがある少し上品なカラーですね。

しかし、「アッシュに染めたけどキレイにならなかった」「ブリーチしないとならないんですよね?」「すぐにアッシュが落ちてオレンジっぽくなってしまう」など、美容師として働いていると不安や疑問、悩みなどを多々聞きます。

そこで今回はアッシュで失敗したくない人必見!!
アッシュについて知ってもらいながらキレイなアッシュカラーの秘訣を紹介していきます!

アッシュとはどんな色か
アッシュとは日本語で「灰味を帯びた」という意味で、アッシュ系のカラー剤はヘアカラーしたあとの仕上がりの髪を「グレーっぽい色が」にするための色」としてつくられています。

アッシュと言ってもそれ自体が色の名前なわけではなく少しくすんだような、グレーがかった色全体の事を指します。

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外国人の髪みたいな透明感ある色ですね

「ラベンダーアッシュ」「アッシュレッド」「アッシュベージュ」「アッシュグレー」「ミントアッシュ」「アッシュブラウン」など、アッシュカラーでも様々なバリエーションがあります!

アッシュなら派手になりすぎない
アッシュはグレーっぽい落ち着いたカラーなので赤系やオレンジ系、黄色系のカラーと比べると落ち着いた色に見え、派手派手しく見えません。

職場やバイト先で明るさの制限がある方でも比較的目立ちにくくチャレンジしやすいカラーですね!

・ツヤツヤというより、しっとりしたツヤ感
・アルミホイルのツルツルしていない裏面のようなマット感
・抜け感を感じさせるドライ感

のような質感で、透明感のある、柔らかい、上品な印象を与えます。

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ソフトモヒカンを流行らした、あのベッカムもアッシュです!!

アッシュにはネーミングがいっぱい
ヘアカタログを見ていたり、ネットでヘアスタイルを見ていると「スモーキー」「プラチナ」「ミルクティー」「ホワイティー」「グレージュ」など色んなワードが出てきますが、実はこれ、どれもアッシュ系のカラーです!

明るさや透明感、灰味の濃淡、ミックスしている他の色などの違いで呼び名をコロコロと名前を変えています。

美容師によっても色々な呼び名で表現したり人それぞれで、ネーミングの基準があるわけではありません。

なので、例えば美容室でカラーをする際に「プラチナアッシュにしてください!」とオーダーしても、お客様の思うプラチナアッシュと美容師が思うプラチナアッシュが違います。

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理想のヘアカラーの写真を数枚見せながらイメージを伝えて頂けると私達美容師にとってもお客様の理想を叶えるヒントになります!

普段からこうして頂いている方も多いとは思いますがとても大切な事なので覚えておいてくださいね!

もちろんこれはアッシュだけでなく他のカラーに関しても言える事です!
ではそろそろ皆さんの不安や疑問、悩みを解決していきアッシュをキレイに出す秘訣を書いていきましょう。

まずは、自分の髪質を知りましょう
日本人の髪は一般的には黒ですよね。
しかし、人によっては茶色っぽかったり、黄色っぽかったり髪はそれぞれ違い、全く同じ髪の人は存在しません!

これは「メラニン」という色素が関係しているのですが難しく考えずに、髪の種類を2つに分けて考えましょう

髪を明るくすると「赤(もしくはオレンジ)色」っぽくなる方はAタイプ、「黄色」っぽくなる方はBタイプ

こんな感じです

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上の毛束がタイプA、下の毛束がタイプB
数字は明度を指していて、よく会社の規則などで「8レベルまでならOK」などと言われる数字のことです

Aには赤(もしくはオレンジ)味が感じられ、反対にBには黄味が感じられます。

日本人に多いのは断然タイプAの髪の人です!
実際は写真よりもっとオレンジ味が強い方がほとんどです!

ここまでを見て、自分の髪質を把握出来ましたか?

綺麗なカラーに仕上げるために大事な情報を教えて下さい
自分の髪の「カラー履歴」を担当美容師に伝えましょう!!

人それぞれ髪質が違うということは同じカラー剤を塗って同じ仕上がりになる人はいません!

そして今までカラーをしている方は少なからずとも
前回以前のカラーのティント(人工的に入れた色)が残留しています!
目には色落ちしたように見えても、髪の中には残っているのです!
その残留ティントが、カラーに影響を及ぼしてきます。

簡単に考えるなら絵の具をイメージしてください

image 様々な色を混ぜ合わせたら濁って何色かよく分からなくなりますよね?

特に1番強力なのは「黒染め」
ブリーチもしくは脱染という工程をふまないと明るくするのが難しいです!
どちらにせよ通常のカラーよりもダメージが生じます!

初めての美容室でカラーをする際には、担当スタイリストに「カラー履歴」を覚えている限り伝えましょう!
これはカラーを失敗しない為の大事なポイントです!!

では次はアッシュについて知りましょう
アッシュとはグレーがかったカラーの事を指すと先ほど説明をしましたが、実はアッシュ系のカラー剤の中身はグレーではないんです!!

仕上がりが「グレーがかった色」に仕上がるように作られており、メーカーにより違いがありますが「淡い青や青紫の寒色系の色」で作られています!

なぜ仕上がりをグレーにするのに、青や紫が必要なのか疑問ですよね?

先ほどの毛束の写真を思い出して下さい。
髪を明るくしていくと日本人のほとんどは「オレンジ」がかったブラウンになりますよね?

しかし、アッシュを表現するにはこのオレンジが天敵です。

このオレンジを消さないとグレーがかりません!
その打ち消す色こそ「淡い青や青紫の寒色系の色」なのです!

オレンジはアッシュもしくはブルーを使えば抑えれます。赤味が強い方はは「グリーン」を使うと抑えられます!

これは色彩学の補色の関係です!

image 赤⇆緑
橙⇆青
黄⇆紫
とういうような具合になってます!

なので、赤味が強い髪にはグリーンをベースにアッシュになる配合を、オレンジ味が強い髪にはアッシュもしくはブルーをベースに、黄味が強い髪には少しバイオレットを加えたり

アッシュにするにはアッシュのカラー剤だけではならず、髪それぞれに合わせてカラー剤ををミックスしたり、塗り分けたり、色々な工夫をしないと綺麗なアッシュにはなりません!!

ここまで理解して頂けましたか?

ではそろそろラストスパートです!

最後にカラーの仕組みを理解してください
一般的なカラーでは、髪の中で同時に2つのことが行われています!
・明るくする
・色を入れる


髪には「メラニン」という色素が入っていてこれが髪を黒く見せています。
ヘアカラーで明るくする場合にはこのメラニンを削っていく=「脱色」によって髪の明るさ=「アンダートーン」というものを明るくしていくのです。
そこに色を入れることにより綺麗な色に仕上がります!(暗くする場合にはメラニンは削りません)

脱色していくと髪はこのように明るくなっていきます。

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赤オレンジ味が強い髪の方は上の毛束にご注目!
明るくなるにつれて、赤オレンジ味が消えていき透明感が増していっていますよね?

実はカラーで赤オレンジ味を最も消す手段はこのアンダートーンを明るくすることに尽きます!
だからと言ってブリーチをしないといけないとは言いませんが、透明感がある髪に色を入れると綺麗になりそうですよね?

補色の緑や青で、赤やオレンジ味を抑えれますが、結局のところ上からかぶせて誤魔化しているだけなので、褪色が進むと元の赤やオレンジ味が現れてきます!

アンダートーンを削って赤やオレンジ味を消して、補色を使い邪魔な色を消してアッシュ系のカラーをすると綺麗にアッシュ感が出ますし、褪色しても赤やオレンジ味が現れにくいです!

透明感がある髪にアッシュを入れた方るととても綺麗なアッシュになります!

アッシュにはアンダートーンが大事!!
これは、とてもとても大事なので覚えておいて下さいね!!

まとめ
ここまでいかがでしたか?
綺麗なアッシュ系カラーの大事なポイントを書いていきましたが
もう一度おさらいです!

要点を簡単にまとめると
・髪質、カラー履歴を考えどれぐらいのアッシュを目指すのか担当と相談する!
・アンダートーンを削る!
・補色を使い赤、オレンジ、黄色を抑える!


この3つと、もう1つ大事なポイントは

・カラーが上手な信頼できる美容師を探す

ここが何よりも大事ですね!
同じアッシュ系カラーをしても、発色、持続、ダメージが薬剤設定や塗布技術、前処理や後処理の仕方で変わってきます!!

カラーって意外に奥が深いんです!
だからこそ楽しいんです!!

1人でも多くの方が、理想のアッシュカラーになれるようにと思いを込めて
この記事を書かせて頂きました!参考にして頂ければ幸いです!
最後まで読んで頂きありがとうございました。

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吉町麻美子

吉町麻美子

京都北山のケーキ屋で8年間経験を積み、その後フレンチレストランのデザートわ3年間担当し、2015年4月に北山で人気の美容室PEACEの移転リニューアルオープンのスタッフとしてカフェの店長を任される。 休みの日はパン、ケーキ、カフェ巡りやお寺巡りをしてリフレッシュしている。